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東南アジアの翻訳者事情


翻訳者が充実しているタイ


タイは1980年代後半から日本企業の進出が続き、現在では東南アジアで最大の日本企業集積地となっています。バンコク日本人商工会議所会員企業数は1000社を超え、在留邦人の人口も4万7000人(日本大使館登録ベース)で東南アジア最大です。

こういった日本との経済関係の緊密さに伴って、マンガやアニメ、Jポップスなどサブカルチャーの人気の高さから、日本語学習者数は年間7万人以上、留学者数も2,396人(2011)となっています。

1990年代のタイでは、翻訳需要に対して供給が追いつかず、特に上級翻訳者への報酬はタイ人の役員並みと破格でした。しかし、現在では状況が変っています。

現地の大学での日本語教育が充実し、留学未経験ながら優秀な人材が多く輩出されるようになったためです。このため、日本語を使える人材の給与水準が下がり、日系企業の多くが社内コーディネーターや秘書として採用するようになりました。中小企業でも一流大学卒の日本語学習者を採用できるようになっています。それに伴って、社外に出される翻訳の仕事が減ってきました。一方で、人材派遣業や語学学校には、関連事業として翻訳を行うところも多く、供給過剰で翻訳価格は値崩れ傾向にあります。

そこで起きている問題は品質の低下です。翻訳者の数の充実で、翻訳者と名乗る人のレベルはピンからキリまで様々です。翻訳会社の中には価格競争に勝つため、レベルの低い翻訳者を使うところがあります。このため、全体的に翻訳者が充実しているにもかかわらず、品質の悪い翻訳が少なくないようです。

上級のタイ人翻訳者の多くは、政府機関や大学、現地の大手企業で働いており、副業として翻訳をしておりますので、生活には困っておらず、あまり安い料金では引き受けません。高い品質の翻訳を得るには、価格のみならず翻訳者の経歴を評価する必要もありそうです。


全体的に能力が高いベトナム

ベトナムは人口が8700万人で、年間の日本語学習者が3万人ほどです。これは人口6700万人で7万人が日本語を学ぶタイに比べて少ないのですが、日本留学生数がタイを凌ぐ約4,033人(2011)おり、上級翻訳者も相当数います。

しかし翻訳料金は物価に比べると割高になっています。それは日本企業の進出が急増し、日本語のできるベトナム人を採用する企業が多く、供給が追いついていないためです。日本企業で働くベトナム人は高給取りで、仕事も忙しいため、副業である外部の翻訳をあまりしません。その結果、翻訳会社の仕事を受ける上級翻訳者には高い報酬が必要になります。

ベトナムには社会主義国特有の事情があります。それは法律が突然改定されたり、当局の取り締まりが強化されたりすることです。その際、政府機関との折衝や事業の見直しなどが必要になることがありますが、それらは全てベトナム語で行われますので、社内の日本語コーディネーターだけでは間に合わないことがあります。また、日本の本社への事情説明なども必要になります。このため、日本語からベトナム語、ベトナム語から日本語への翻訳需要は大きいのです。ベトナム人の翻訳能力は全体的に高く、ハングリー精神が感じられます。しかし、法律関係の翻訳は信頼できる上級翻訳者に依頼すべきです。


上級翻訳者は割高のインドネシア

インドネシアは東南アジアの中で最も日本語学習者の多い国です。人口が2億3000万人で東南アジア最大とは言っても、年間27万人も学んでいます。これは同国が日本への石油供給国で、人口も多いことから、日本政府が友好関係構築に努めてきたためでしょう。

日本語教育も充実しており、初級、中級の日本語を話せる人は充実しています。 ところが、上級翻訳者になる事情が異なります。日本語学習者数は多いものの、上級候補といえる日本留学者は2,162人(2011)と、人口が3分の1のベトナムの半分、タイ程度です。日本留学経験者の多くは日本企業で勤務するため、外部の翻訳をあまり受けません。このため留学経験のある 翻訳者の報酬は、タイなどに比べて高めです。

さらにインドネシア人の気質もあり、日本語能力だけではなく、強い責任感があって、きちんと納期を守れる上級翻訳者に依頼するには相当の報酬が必要になります。


タイの最高学府、チュラロンコン大学の卒業式の様子

日本語教育でもタイ最高峰のチュラロンコン大学

ベトナムの日本語教育の中心となっているハノイ大学の学生

インドネシアでは中等教育で日本語を学ぶ生徒が多い

インドネシアの最高学府、インドネシア大学

翻訳料金が意外に高いラオス

山岳地帯で社会主義国のラオスは、東南アジアの中でも最貧国の一つで、国民の所得や給与水準は域内最低水準です。ところが、消費財の多くをタイや中国から輸入しており、貨幣経済の物価は割高です。翻訳については、日本語学習者が少ないこともあって、タイ並みとなっています。

ラオスの日本語学習者を隣国のタイ、カンボジアと比べてみましょう。タイは人口6700万人で、年間の日本語学習者は7万人以上、カンボジアは人口1,500万人で、日本語学習者が5000人以上います。ところがラオスは人口630万人で、日本語学習者は500人以下なのです。留学生数は248人(2011)しかいません。

ラオスは絶対数でも、人口比でも、日本語学習者が極端に少ない国です。その中で上級翻訳者となるとさらに少なく、ミスの少ない翻訳を得るためには、国の発展度と比べると割高な報酬が必要になります。

ラオス語の翻訳で多いのは、資源開発関係と日本政府による開発援助関係の翻訳です。昨今では日本政府も予算が厳しく、価格最重視の傾向がありますので、レベルの低い翻訳者を使ったミスだらけの翻訳が横行することが危惧されます。


アジア最安値のカンボジア

カンボジアは1991年にパリ和平協定が結ばれ、長く続いていた内戦が終結しました。その後、日本政府は積極的にカンボジアの経済開発に協力してきました。その一環として、日本語学習促進、日本留学支援も行い、現在では優秀な翻訳者たちが育っています。

日本語学習はブームになっており、人口1,500万人の中で年間5000人が日本語を学んでいます。これは世界遺産のアンコールワットがあり、日本人観光旅行者も多いため、観光ガイドやホテルのスタッフなどで初級程度の日本語が必要になるためです。

一方、上級翻訳者候補である日本留学者数は326人(2011)です。日本企業の進出が少ないことから、留学経験者の多くは現地の政府機関や教育関係で勤務し、外部の翻訳を積極的に受けます。翻訳の仕事はまだ少なく、翻訳料金は上級翻訳者についても東南アジアでは最安値です。


潜在需要が大きいミャンマー

ミャンマーは2011年まで民主化が凍結され、先進国の経済制裁の影響で経済開発は滞っていました。しかし、2012年になって急速に民主化し、日本企業の注目が最も高い国となっています。日本政府はこれまでの政府援助残高を帳消しにし、新たに毎年、数百億円レベルの開発援助を実施する方針です。このため、ミャンマー語の翻訳需要も急増しそうです。ただし、2012年現在はまだ現地視察段階にあり、翻訳についても問い合わせは多いものの、実際には動いていません。ミャンマー語の翻訳需要は、2013年から実需が爆発的に増えるものと予想されます。

ところが、ミャンマーでは日本語の高等教育は、ヤンゴン外国語大学とマンダレー外国語大学の2校に限られ、在籍数で600人(2011)しかいません。日本留学者は1181人(2011)です。学校以外で日本語を勉強する人もいますが、翻訳者として働けるレベルの人は少数でしょう。

国内総生産を見ると世界最貧国のミャンマーですが、ヤンゴンの物価はバンコク以上です。ミャンマーは豊かな農業国で、エネルギーや鉱物資源にも恵まれており、経済数字以上に豊かです。また、地下経済も存在しています。一方で、消費材の多くをタイおよび中国から輸入しており、その結果、ヤンゴンの物価が高くなっているのです。日本企業が現地で事業をしようとすると、一般のスタッフでも意外と賃金は高く、特に英語や日本語が話せるマネージャークラスになるとベトナム並みの賃金が必要です。

このようなことから、上級翻訳者の報酬も経済的な数字に比べて割高で、タイ並みか、それ以上です。

ミャンマーは旧英国植民地で、英字紙も定期的に出ていることから、英語が通じるとの先入観もあります。しかし、実際には英語の普及は他の東南アジアと変わりません。軍部による保守的な封建政治が長く続き、英語教育も停滞したためです。また、民族が多く、国民融合が進んでいないことから、現地語も多様です。ビルマ語が公用語で、人口の7割が使いますが、他の3割は言葉が違います。このため、日本企業や政府機関にとっても、進出・開発する 地域によってはビルマ語以外の言語への翻訳も必要になります。


ラオスの最高学府、ラオス国立大学

カンボジアの最高学府、王立プノンペン大学

ヤンゴン外国語大学の学生

未知数のミャンマー

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