日本では20代の若い女性を中心に、スマートフォンを活用したファッション品購入が広がっている。スマートフォンは、通常の携帯電話に比べて画像が大きく、鮮明に表示できる。このため、画面上で、自分の写真を使って、たくさんの着こなしを試せる。実際の店舗を構えるアパレルチェーンでも、ファッション品を選びやすい通販サイトの再構築を始めた。
東京で働く20代の女性会社員は、「店頭よりも種類が多いことと、安さが魅力でしょう。秋冬物のブーツとパンプスをスマホで購入しました」と満足そうに話す。
婦人ファッション品通販サイト"「夢展望（ゆめてんぼう）」 は、iPhonなどのスマートフォンに着せ替えアプリケーションソフトをダウンロードすれば、自分の写真と服の画像を重ね合わせて“試着”できる。
会員数は１００万人に達した。「ゆめてんぼう」の売上は、2010年の売上高は前期比40％増の63億円となった。顧客層は10～20代が主で、注文の85％がスマホ経由だ。１日当たりの購入客は平均7000人。深夜１時が最も注文が集中する時間帯という。
主力商品であるワンピースの中心価格は１着2980円（約１０００バーツ）で、店頭価格の約半分と格安だ。洋服やバッグなど毎月400種類の新商品を用意している。
年配者の場合は、色や品質、サイズなどを店頭で確かめないと、服を買わない。しかし、若い世代はネット通販に対する抵抗感がほとんどなく、スマホで見て気に入ったら買う。サイト上にコーディネートの参考になる写真を多数掲載し、店頭にないメリットを出したことが奏功しているようだ。
こうした動きは実際に店舗を構えるアパレル企業にも広がっている。 「ユナイテッドアローズ」 が運営するネット通販サイトでは、商品の服を着た店員の写真を多数掲載している。瞬時に多くの商品数を閲覧できるネットの特徴を生かしている。実際に多くの購入客から、「コーディネートのイメージがしやすい」との声が寄せられている。
日本のファッション品のネット通販市場は2010年が4652億円（1860億バーツ）。2015年には約2倍の9500億円（3800億バーツ）と見込まれている。
