よく日本人は勤勉な国民と言われます。もちろん、タイの人たちもとても勤勉で、決して日本人に負けていませんよ。
ここでは、どうして日本人が勤勉な国民なのかを考えてみましょう。その答えには、証明された、確実なものはありません。ただ、多分そうではないか、と一般的に思われていることがあります。その1つが、くっきりと異なる「四季」の変化です。
日本は地理的な理由から、世界で最も季節の変化がはっきりした国です。タイよりも暑いかもしれない「夏」、気温が下がって樹木の葉が黄色や赤色になる「秋」、雪が降る「冬」、そして生命が息吹く「春」です。
四季がくっきりと異なるため、それぞれの季節の服装が必要で、1年に4回も服装を替えなければなりません。服装以外にも、季節ごとに様々な事柄が異なり、それに対応するための準備は毎年大変に手間がかかります。家についても、夏に暑くなく、冬に寒くないように建てる工夫が必要です。
また、コメを中心とする穀物の収穫が秋だけで、それ以外は収穫がほとんど無く、秋に収穫した食物を蓄えて次の1年間の食料にします。もし秋の収穫が少ないと、食べ物が無くなり、飢えてしまいます。このた"め、春の田植えから、秋の収穫まで、農作業をしっかりとして、できるだけたくさんの収穫が得られるように努力します。
そして、収穫を終えた秋から冬にかけては、次の収穫を増やすために、農地を開拓しなければなりません。日本人は昔から、1年中、一生懸命に働かなければならなかったのです。
しかし一方で、日本人は、四季の彩を楽しむことも忘れませんでした。四季の美しさを服装や工芸、そして文学の中で表現してきました。それらの典型は、着物や絵画、短歌や俳句などです。また、四季の食べ物を味わい、それぞれに最も合った料理方法を考えてきました。それが今の日本料理につながっているのです。 by たいすけ