アニメやゲームの少女キャラクターに対して男性ファンが好意を示すとき、「萌え」という言葉で使うことが一般的になっている。
この「萌え」とは、本来は草木の芽が生えてくるという意味だ。これがアニメやゲームの熱烈な愛好家である日本の「オタク」たちの間で、登場人物に対する好意を表わすのに使われるようになったのは1990年代中頃だ。2004年に日本の流行語大賞にノミネートされ、2005年にはトップ10に入った。普通、流行語はすぐに時代遅れになって消えてしまうが、この「萌え」は定着し、今でもよく使われる。
「萌え」とは、「好き」という意味だ。しかし、「好き」のように単純なものではない。もっと強烈で、感情的なものだろう。もともと、この「萌え」は、インターネット上の掲示板で「燃える(もえる)」と書いたつもりが、変換ミスで「萌える」となり、それが面白かったので広まったようだ。すなわち、「萌える」が本来示していた意味は「燃える」なのであり、それは「凄く好き」「止められないくらい好き」「燃えるくらい好き」という意味なのである。
アニメやマンガ、ゲームの少女キャラクターに対して、「萌える」というのは、「何だか分からないけど、凄く好き」というイメージだ。そしてそれは、特に男性から見て「守ってあげたい」と感じる、どこかに弱さのある少女キャラクターに対して起こる感情である。例えば、今流行のK-POPの少女時代やKARAのようなスタイル抜群のカッコイイ女性たちは、男たちの憧れで、好きではあるが、「萌える」対象ではない。
一方、AKB48のような普通にいそうな少女たちは、「萌える」対象になる。ここに、日本の男性たちの、女性に対する嗜好が現れている。すなわち、日本の男たちは、「美人」よりも、「少女のようにかわいい女」が好きなのである。それを守ってあげたいのだ。AKB48のプロデューサーである秋元康(やすし・あきもと)の感覚は正しい。 by Noboru