複数の種類の細胞に変化できる「幹細胞」を使って、神経や血管とつながる「生きた入れ歯」をつくった。東京理科大のチームがマウス実験で成功した。この「生きた入れ歯」は、歯と歯茎の細胞からできており、移植した部分に定着する。
「生きた入れ歯」を作ったのは東京理科大学の辻孝(つじ・たかし)教授と大島正充(おおしま・まさみつ)助教。二人は、マウスの胎児から、2種類の幹細胞を採取し、歯と周辺の細胞に育つように培養した。これらを混ぜて、別のマウスの腎被膜へ移植した。その結果、歯と周辺の細胞ができた。それは約30日後に移植可能な状態になった。これを抜歯したマウスに移植したところ、約40日後に生きた歯として定着した。細胞の数や配置によって、一度に5本の「生きた入れ歯」を作れるという。