65歳以上の高齢者で、誰にもみとられずに死んでいく人は年間1万5000人を超える。ニッセイ基礎研究所がこんな推計をまとめた。
孤立死を「死後4日以上経過して発見された人」と定義すると、その数は1万5600人を超える可能性があるという。また、孤立死した事例の中には、生前に「セルフ・ネグレクト」(自己放任)状態にあったと考えられる人が約8割含まれていたことも明らかになった。
同研究所では、誰にもみとられず、自宅で死亡する高齢者の増加が問題視される一方、「全国で実際どのくらいの人が孤立死しているのか、その数字すら明らかになっていない」ということに注目した。
東京都で発生した孤独死の事例から、全国の発生数を推計した。その結果、孤立死を「死後4日以上経過して発見された人」と定めた場合、その数は1万5603人となった。男性は1万622人、女性は4981人。
孤独死になる高齢者の8割が「セルフ・ネグレクト」だった。これは、食事や衛生管理、金銭の管理などをやろうとしない人。あるいは能力がない人。安全や健康がおびやかされる状態にある。 ニッセイ基礎研究所では、高齢者が「セルフ・ネグレクト」になることを防ぐには、法律で保護する必要があると忠告している。